やさしい時間のひな祭り

3月になると、部屋の空気が少しだけやわらぎ、春の気配を感じるようになります。
その中でもひな祭りは、わが家にとって小さな楽しみのひとつ。
毎年、お雛さまを飾る時間から、すでに特別なひとときが始まっています。

箱からひとつひとつ丁寧に取り出しながら、
「今年もよろしくね」と心の中で声をかけるような気持ちに。
飾り終えたお雛さまを眺めると、空間がふんわりと華やぎ、日常の中にやさしい彩りが加わります。
忙しい毎日の中でも、こうして季節の行事に触れることで、心に少し余白が生まれる気がします。

当日は、ささやかながらおうちでひな祭りごはんを用意しました。
色とりどりのちらし寿司に、はまぐりのお吸い物、そしてほんのり甘いひなあられ。
特別に豪華でなくても、季節を感じる食卓はそれだけで十分に満たされるものです。

食後には、ほんの少しだけ甘いものと一緒にお茶の時間。
家族で他愛もない会話をしながら過ごすこのひとときが、何よりのごちそうだと感じます。

ひな祭りは、子どもの健やかな成長を願う行事ですが、
同時に「今ここにある日常」を大切にするきっかけにもなっているように思います。
変わらないようでいて、少しずつ変化していく日々。
その一瞬一瞬を味わいながら、これからもこうした季節の行事を、暮らしの中で大切にしていきたいです。